2009年12月16日水曜日

「キンキ」なのか「キンキン」なのか? それとも…

本八戸駅構内
…ところで、
その魚はホントのところ「キンキ」なのか「キンキン」なのか?

そもそも“その魚”とは
正式には吉次(喜知次:キチジ)と呼ばれるカサゴ目カサゴ亜目フサカサゴ科の魚で、英名はBroadbanded Thornyheadである。

Broadbanded thornyheadとは名乗っているものの、
ブロードバンドをバリバリ使いこなす鋭利な頭脳をもったIT魚
というワケでもなく、
主に東日本の深海に棲む脂ののった白身の赤い魚で、非常に高価で非常に旨い肴である。

この喜知次は日本各地で様々な呼ばれようをしていて、
キチジ、アカジ、コアカジ、メイセン、メイメイセン、メンメ、キンキ、そして「キンキン」などと多様だ。

似たような赤い魚のキンメダイと混同されることもあるようだが、
価格・味ともにまるで格が違う。
(あくまでも個人の感想であり、実際にどちらを旨いと感じるかは各自の判断によります。キンメも煮付けると十分に旨い魚です。)


そんなこんなな日本喜知次事情にあって、
ここ八戸では主に「キンキン」と呼んでいるので、
旅行者の皆様も郷に入れば郷に従えで「キンキン」と呼ぶようにしたいものです。

キンキン・キンキ・キチジ
さて、この八戸キンキン。
実は、八戸弁ネイティヴ・スピーカーのツワモノ(主に沿岸部の高齢者)ともなると、さらにディープに「チ○○ン」と発音するのだ!

正確には「キ」と「ツ」の中間的発音の「」であり、
フランス語のような微妙な発声法による甘美な響の「○ンチ○」である。

八戸を訪れた旅行者の皆さんは驚かないようにしましょう。

イヌは条件反射で一芸披露してしまわないようにしましょう。

高級な魚だからといって、
決して御上品に「御」を付けて呼ばないようにしましょう。

デーリー東北の記事
12/17のデーリー東北によると、
八戸港に揚がったキンキンは15匹入りで2万8千円(競り値)と好調だったようだ。
コレが市場に出回って1匹あたりだと……怖くて計算できません。
しかし、キンキンをはじめとする赤物魚は御正月に欠かせないオイシイ彩りとして必須なのである。

そういえば、
なんでも1月1日の三春屋初売りでは、
【八戸せんべい汁研究所】のイベントが催され、
その会場で「キンキンだしせんべい汁」の御振る舞いかなんかという豪華でオイシイそうな“お年玉”的なモノが用意されるとかされないとかなんとかかんとか…
(主催者の都合や入荷状況やなんかにより変更の場合があります)

こいつぁから縁起が良いやぁ!

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